第五章 別れと出会い

 

「ふははっ!早い早い」

「すっげー」

「素晴らしいですわ。海を渡れるなんて!」

カナエが目を輝かせる。

昔、船に乗ったときに比べて、魔物が出る今の世界に船を出す事に、随分有り難味があった。

黒胡椒を手に入れた勇気達は、船を走らせる。

カンダタは鷹哉の言いつけを守り、悪い事をやめたらしかった。

「さすが鷹哉」

「まぁな、ストーリーが分かってるんだから利用しないと」

ふと、アルカが東の大陸を指し、叫ぶ。

「テドンの岬だ」

勇気が船から身を乗り出すと、ごつごつとした岩山が見えた。

「じゃぁ、ランシールまでもう直ぐだな」

「ええ。ランシールには大きな神殿が有るそうですよ」

「あぁ」

鷹哉が面倒くさそうに返事をすると、カナエは分厚い書物を閉じた。

「なんだ、知っていたんですか」

「ねーねー、どーして鷹哉ちんは、そんなに詳しいの?」

「さぁな」

「ふぅ〜ん」

アルカは不満げに鼻を鳴らし、カナエと一緒に景色を眺めた。

 

 

  

「山本君!」

和歌奈は雅之を見つけ、そう呼んだ。

「き、霧島さん?」

帰るとき、校門から雅之が出行くのが見え、和歌奈は慌てて追いかけたのだ。

「あのね、昨日、帰ってからゲームを付けたらね、割と進んでた。勝手に動いてたの」

和歌奈がカバンからゲームボーイを取り出し、顔を上げる。

雅之は俯き、ぼーっとしていた。

「ビックリ、しないの?」

「もうどうだっていいんだ」

帰ってから僕は叱られた。

「松坂君も林君もゲームの世界で暮らせてるんなら幸せじゃないか」

友達と遊ぶのが駄目なの?

「画面を見れば、無事を確認できるし、親もいない、勉強も無い」

そんなに勉強をしなくちゃならないの?

どうして遊ばせてくれない?

「だから………」

「山本君、昨日、お母さんに怒られたの?」

「別に。霧島さんには関係ないから」

違う。そんな事を言いたかったんじゃない。

「そうね、ごめん」

あ、

「僕もごめんなさい」

「ね、これを見て。松坂君と林君が船に乗っているの」

「船?」

雅之が画面を覗き込むと光が溢れた。その光は雅之を包み込む。

「霧島さん!」

その瞬間、光も雅之も消えてしまっていた。

 

 

 

「わし、ここに、暮らそう、思う。町、あれば、きっと、みんな、喜ぶ。商人、いないと、町、出来ない」

「それなら私が手伝います」

 

勇気達はランシールにつくなり、神殿を目指した。

勇気も鷹哉も神殿に入りたくて仕方が無かったので、鷹哉がアイテムを取らないと言う約束で先に入った。

仕方無しに、その間に勇気が消え去り草を買いに行く。

 

消え去り草を買いに行くと聞いたカナエは、鷹哉が冗談で言った風呂場覗きを本気にし、怒り出した。

「鷹哉さん、消え去り草で一体何を!」

「そうだな、女風呂でも覗きに行くか、な?勇気?」

「女、風、呂・・・!?鷹哉さん、何を考えてらっしゃるのですか?」

「え?」

「鷹哉さんは、そんな方じゃないです。そうでしょ?本当はお風呂なんか覗きに行かないでしょ?」

カナエは真剣に鷹哉を信じていた。

「あ、カナエ、鷹哉はね・・・」冗談で言ってるだけなんだよ。

そう言おうとして、鷹哉の手に遮られた。

「カナエ、お前、そんなに俺の事・・・」

鷹哉は、カナエの肩に手を回す。

「・・・鷹哉?」

「えっ?えっ?」

カナエは赤面して、勇気とアルカに助けを求めた。

「ぷっ!・・・あはははっ」

鷹哉はお腹を抱えて笑い出した。

「鷹哉さん!?」

「マジになるなっつーの!」

そして、カナエの顔を見ないように、勇気に話しかけた。

「地球のへそ、先に入らせて」

そのまま、鷹哉は地球のへそへ入って行った。

“鷹哉?一体、どうしたの?”

 

事が済んだ一行は、エジンベアに向かった。

カナエの誤解は、ここで完全に解けたようだった。

そして、スーから東の外れに来た勇気達は、いよいよ、カナエの独立を迎えることとなった。

 

「本当に残るのか?」

ゲームの中でも、商人を手放すのが嫌で、レベル1の、どうでもいい商人を登録してパーティーに入れて連れてきた。

でも、ここで別の人を連れて来る訳にはいかない。

カナエじゃないと駄目なのだ。

他の誰であろうと、きっと、この土地には関係ない。

だけど、カナエ自身が残りたいのだから、それを勇気達に止める事は出来ないのだ。

勇気の言葉にカナエは強くうなづいた。

「ここから出られないんだぜ?」

「はい。でも、町を造るのが私の夢でしたから」

知っているよ。

カナエには夢があるんだよね。

幾日も共にした仲間だからこそ、引き止める事は出来ない。

「そう、だったね」

勇気は引き止める言葉を飲み込んだ。

カナエが優しく微笑む。

「どうもお世話になりました。勇気さん、鷹哉さん」

そして、最敬礼をする。

「みなさんとの思い出は、一生忘れません」

「本当に、いいのか?」

カナエが下げている頭に向かって、鷹哉が呟く。

その鷹哉の目に、光は無かった。

「鷹哉?」

勇気が不思議そうに鷹哉を覗き込む。

「この先、どうなるか知ってるのか?革命が起こって………」

「鷹哉」

怒鳴りそうになった鷹哉を、勇気は呼び止める。

「鷹哉!!・・・どうしたんだよ一体」

本当に、カナエが、好きになってしまったのかい?

船の上で、鷹哉はカナエにちょっかいを出していた。

でもそれは、霧島をからかっているように見え、勇気はその時、特に何も思わなかった。

「もう、一緒に冒険できないんだぞ」

鷹哉は、頭を抱えて座り込んだ。

「鷹哉さん………」

カナエは鷹哉の肩に手を掛けようとして、止めた。

勇気は顔を上げ、今度はカナエを見つめた。

「カナエ、本当は僕もカナエをここに残したくないんだ」

ゲームの通り進めば、カナエは、間違いなく牢屋へ………。

「その………鷹哉とは、違う意味でだけど、多分」

鷹哉は、それもあるだろうけど、きっと、好きになってしまったんだね。カナエの事。

「でも、カナエが自分の意思で残るって言ってくれて、ちょっと安心したんだ」

カナエは強い。

だから、自分で決めた事は、弱音を吐かずに頑張ってくれるだろう。

だけど………

「これから沢山辛い思いをするかも知れないよ」

「それも夢のため」

うん。そう言うと思ったよ………。

「カナエちん、やっと夢が叶うんだね」

どこかで遊んでいたらしかったアルカが戻り、カナエに花束を手渡した。

雑草の花を摘んだらしく、本当に小さな花束をひとつ。

「アルカ!」

カナエは花束を受け取るなり、アルカに抱きついた。

アルカ、大好きよ。

幼い頃から、ずっと一緒だったアルカ。

今度どこで会えるか分からない。

でも、これからもずっと一緒だから………。

二人は暫く抱き合って涙を流した。

「さぁ、行こうか………」

勇気がアルカの手を引き、歩き出す。

「鷹哉ちんは?」

手を引かれながら、チラッと振り返るアルカに、勇気はこう言った。

「その内くるだろう………」

 

「鷹哉さん」

勇気達の姿は見えなくなった。二人っきりになり、カナエは鷹哉に呼びかける。

「あー、もう、訳分かんねー。どうかしてる」

鷹哉は頭を掻き毟り、座る。

カナエは鷹哉から少し離れて向き合うように座った。

「鷹哉さん、キリシマ………とは、誰のことですか?大切な人のお名前ですか?」

ずっと聞きたかった事。

カナエと間違えて呼ばれた、誰かの名前………。

「………勇気の、幼なじみ………」

「そうですか」

結局、言ってくれなかったね………。

カナエは立ち上がり、大きく背伸びをした。

だって、泣きそうになったから。

本当は知っていた意地悪な質問。

鷹哉の心には、キリシマがいる。

でも、結局、何も聞く事が出来なかった。

「あーあ、やっぱりもっと一緒に旅しとけばよかったな」

そしたら、きっと、ちゃんと振ってくれたよね。

「カナエ?」

鷹哉が不思議そうに見上げる。

「でもいい。私が決めた事だから」

そう、結局、恋よりも夢を選んだ。

だから、鷹哉の前では強い女の子でいたい。

「強いんだな、カナエは」

鷹哉は立ち上がり、続ける。

「俺は違う世界からここへやって来た」

「知っています」

「そっか」

「どうしてここへ来たのですか?」

「嫌になった事があって………」

 

 鷹哉は思い出す。

現実の世界であった出来事を。

勇気の家からの帰り道、近所のおばさんが俺を期待の眼差しで見つめる。

『鷹哉くん、聞いたわよ、サッカーが得意なんですって?』

『こんな所でうろついてていいの?』

『あるんでしょ?練習』

『町中の皆で期待してるわよ』

『そうそう、もう、将来有望ね。おばちゃんまでワクワクしちゃう』

 

どこを歩いても、何をしていてもサッカー、サッカー、サッカー。

やめてくれ。

俺はサッカーが好きなんだ。

ただ、サッカーをやっていたいだけなんだ。

何故?

好きだけじゃ駄目なのか?

ちゃんと練習しなくちゃならないのか?

誰も居ない所へ行きたかった。

俺がサッカーをやっている事を知らない世界へ。

いや、本当は………。

「どこかへ逃げたかった。そしたらここへ来た。俺が憧れた世界」

「こんな世界が憧れなんて」

カナエは空を見上げる。

鷹哉もつられて見上げる。

どんよりと曇った空。

そう、この世界の空は、青くない。

「そうだな、どうかしてる」

「ええ」

本当はどこでも良かったんだ。

俺のサッカーを認めてくれる所であれば。

練習をしても、しても、勝てない相手がいた。

学校の中では期待される存在でも、試合に勝てても、どうしても越えられない奴がいた。

だから、俺は、そいつに勝てなければ意味が無いんだ。

鷹哉は、ふとカナエを見る。

霧島とよく似ている、その姿………。

 

『林君の場合、得意って言うより、好きって感じよね。試合や練習の時より、サッカーボールで遊んでいる時の方が林君らしい』

『俺らしい?』

『うん。乱暴ものって感じ。あは、言っちゃった』

 

嫌味で言ったのか、本当にそう思っていったのか、今となっては分からないが、鷹哉にとって、霧島のその言葉は救いだった。

カナエはきっと、もっと素直に、その優しさを見せてくれるだろう。

男勝りで感情を表に出す霧島とは違い、カナエには、心の奥底から人を強く導くパワーがある。

だから、きっと革命になっても、彼女は戦う。

どんな事があっても、彼女なら切り抜けてくれる。

だけど、それじゃ………捕まってからでは遅いんだ。

「カナエ、たとえお金に目がくらんでも、町の人をいたわる気持ちを忘れないで欲しい」

何か夢中になると、周りが見えなくなるカナエ。

振り回される奴が居るって事を、分かっているか?

「それは鷹哉さんの方です。アルカが怖がってます」

「だな」

カナエが笑い、鷹哉もつられて笑った。

楽しかった旅も、もう、終わる………。

ふと、カナエの目に涙が浮かんだ。

それはポロポロと零れ落ち、鷹哉の胸をぬらした。

カナエは思わず鷹哉の胸に飛び込んでいたのだ。

 うん、そうだね。もっと一緒に居たかったよね。

鷹哉は、そのまま抱き寄せる事も出来ず、カナエが落ち着くのを待っていた。

 

 そう、肩も抱いてくれない。

初めから分かっていた。

キリシマの役目も、今日でおしまい。

カナエは鷹哉から離れた。

「ごめんなさい」

「また、来る」

オーブを取りに………。

「はい」

カナエは力強く頷いた。

『町の人をいたわる気持ちを忘れないで』

鷹哉が残したメッセージ。

守れば、勇気さんのお役に立てるんですね。

「じゃぁ」

「はい」

鷹哉は、去っていく。

「旅にご加護がありますように………」

カナエはそっと呟いた。

 
 

鷹哉が船へ戻ると、アルカが何かを叫びながら手を振った。

鷹哉は、恥ずかしいなと思いながら何事も無かった様に船に乗り込む。

「ねぇ、鷹哉ちん、カナエちんと、ちゅーしたの?」

「あ?」

「したのか?」

勇気が覗き込む。

鷹哉は、さっきカナエに抱きつかれたのを思い出し、赤面した。

「勇気!お前まで茶化すな。するわけないだろ!」

鷹哉は勇気を蹴飛ばす振りをして足を上げた、その時。

「そうだよね。まだ十二歳だし」

「げっ!お前、誰?」

鷹哉の目の前には、同じ年くらいの男の子が座っていた。

いつの間に船に乗り込んだのか分からない。

メガネをかけたその少年は青いローブを纏い、杖を持っていた。

「もしかして、山本?」

勇気が身を乗り出すと、少年は恥ずかしそうに頷いた。

「山本って、誰だっけ?」

「クラスメイトだよ。成績優秀の山本雅之」

「あ、あの山本?どうしてここに?」

流石に聞いたことのある名前だったようで、鷹哉が目を見張る。

「山本もゲームボーイをやったのか?」

勇気も鷹哉もゲームボーイで遊んでいる時に、この世界へ巻き込まれた。

だが、成績優秀の山本雅之が、ゲームボーイで遊んでいたとは考えられなかった。

「違うよ。霧島さんが、『勝手にゲームが進んでる』って言ったから、覗き込んでみるとここへ」

「何で霧島とお前がセットな訳?」

「ごめんなさい」

「何でそこで謝んだよ。訳わかんねー」

鷹哉は地団太踏んだ。

「ははっ、鷹哉、霧島が言ってた。『林君はクラスのボスザルだから怖い』って」

「霧島が?」

今更怖がるはずないだろ?

「霧島が怖がってるんじゃなくて、クラスの連中が言ってたんだと」

「クラスのボスザル………サル?じゃぁ、俺はキラーエイプかヒババンゴみたいに思われてんのか?」

鷹哉は、はっと思いつき、思わず叫んだ。

「ははは、ヒババンゴ、ヒババンゴ!」

勇気がヒババンゴを想像する。

「あはは」

ドラクエツーにヒババンゴっていう猿系のモンスターがいる。

だが、お世辞に格好良いモンスターではない。

どちらかと言うと不細工だ。

それが鷹哉?

「あはは」

「笑うな、俺はヒババンゴじゃないぞ」

誰もそんな事言ってないよ、鷹哉が勝手に………。

「ヒババンゴって何?」

雅之が尋ねる。

ヒババンゴの説明を………。

「あはははははは」

駄目だ、出来ないや。あはっ。

「勇気笑いすぎ。で?」

「で?って………?」

鷹哉が先を促す。

流石にあれだけ笑われては話題を切り替えたくなるだろう。

「あ、ごめん」

勇気は鷹哉に睨まれ、さっさと話題を切り替えた。

「その、鷹哉が行方不明になった時、霧島と僕が呼び出されたんだけど、偶然、鷹哉が消えた瞬間を、山本が見てたんだよ」

「そうだったのか。あーびっくりした」

びっくりした、本当に。

霧島と誰かの間に何もなくて。

ふと雅之をみた。

変な格好………。

「なぁ、さっきから気になってたんだけど、どうしてそんな格好してんの?」

「え?」

雅之は自分の服の袖を引っ張ってみた。

「変………かなぁ?」

「すっげー違和感」

鷹哉がそう言いながら、勇気を見る。

勇気も頷くが、どこか嬉しそうだ。

だが、雅之には分からない。

アルカは不思議そうに三人のやり取りを見ているだけだった。

「いきなり『賢者』だもんね」

そう、雅之の姿はドラクエスリーの賢者の姿そのものだった。

勇気も鷹哉も、ブレーンのカナエが居なくなった今、雅之の賢者としての登場が、本当に嬉しかった。

「あ、あの………」

「何?」

鷹哉が短く問いただす。

怖いと言われないように、優しく。

「僕、本当は、林君がゲームボーイの中に入る瞬間を見たんだ」

眩しく光る画面。

吸い込まれるクラスメイト。

怖くて何も言えなかった、僕。

「ん?」

雅之に見つめられ、勇気は眉をしかめた。

「それを言わなかったから、松坂君も………」

雅之は自分を責めている風だった。

鷹哉は、それを良く知っている。

どうしても勝てない他校の選手。

校内で認められようが、勝てなきゃ意味がない。

どうして勝てないんだ。

どうして俺は諦めたんだ………。

「関係ねーな?」

鷹哉は勇気を促した。

こういう時、勇気ならどうやって励ましてくれるんだろう?

関係ない。

そう、そんな事、どうでもいいんだ。

出来ないものは出来ない。

だから諦めればいい。

仕方がないと腹をくくるのが男らしさ。

そうだろ?勇気。

「うん。僕ね、オルテガに会いたいんだ」

伝説の勇者。

会って、話してみたい。

そのために絶対助けるんだ。

運命は変わる。

ストーリーを上手く利用すれば、絶対変えられる。

「俺はゾーマをぶっ放す!と言う訳で、目的あるし」

雅之はいつの間にか話題が変わっているのに気づいた。

そうだ、鷹哉が変えてくれたのだ。

「あの、林君って、本当は優しいんだね」

雅之と目が合い、そっぽを向く。

誰かに『優しい』なんて言われた事は無い。

「あ、鷹哉ちん、照れてる!」

アルカが鷹哉の頬を突っつく。

「んの〜!」

鷹哉はアルカを羽交い絞めにした。

「きゃぁっ」

雅之が笑った。

アルカも。

そして勇気、鷹哉も。

雅之は、この二人のこんな穏やかな笑顔を初めて見た。

「山本、一緒に行こう」

勇気が握りこぶしを差し出す。

「え?いいの?」

「ここに一人で居たっていいんだぜ?ただ、強いモンスターがうようよ」

鷹哉も握りこぶしを出す。

「やっぱり、林君って優しい」

雅之がおどけると、鷹哉は嬉しそうにはにかんだ。

林君は本当は怖くないんだね。

「山本ちん、よっろしく〜〜」

アルカも握りこぶしを差し出す。

勇気が目で雅之を促した。

「あ、宜しく」

そして握りこぶしをお互いに軽くぶつけた。

これはバハラタ付近の祝杯の挨拶らしい。

飲み物の変わりに拳をぶつける。

これからの旅を宜しくという意味が込められていた。

「ねーねー、勇気ちん、次、何処行くの?」

「ジパング」

「あの、黄金の国、ジパング?」

「わぁ〜素敵〜〜」

アルカは目を輝かせて唸った。

「それが、あんまり素敵じゃないんだけどな〜」

鷹哉が両手を組み、後頭部を抱いた格好で呟いた。

「山本、ドラクエの世界を教えてあげる。さぁ、行こう。ジパングへ!」

勇気達の船は前進した。

 

 

 

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