ここでは、たけろうが観た映画の内容を、ネタバレ気にせずバンバン紹介しようと思います。

時々毒舌になるかも知れませんが、一人一人違う人間。意見が合わないのは当たり前!!

そういう時は、さらっと流すか、読まないようにして下さいませ。

手紙

東野圭吾の「手紙」です
小説をきちんと読破してから劇場へ行きました。


「兄貴、元気ですか?」ナオは今日も刑務所へ手紙を書く。兄が強盗殺人という罪を犯したのは、弟ナオの学費を稼ぐため・・・。両親を早くに亡くし、兄弟で力を合わせて生活してきたはずなのに、兄は引越の仕事で腰を痛め職を失った。でも何とか弟を進学させたくて、盗みに入った。緒方家には、老婦人が一人で住んでいた。あの日、驚いて警察を呼ぼうとした老婦人を、兄は刺し殺してしまった。殺すつもりはなかった。けれど 罪は罪。強盗殺人犯。ナオは兄のせいで人生が大幅に狂う。大学の進学は諦めた。バイトを辞めさせられ、就職が決まっても、兄の事を知られる度に転職した。お笑い芸人になったが、世間に知られて辞めることになった。恋に落ちた女性との結婚も、兄のせいで破談になった。強盗殺人犯の弟というレッテルは、背中についてまわった。兄が生きてる限り、俺はハズレくじなんです。こういう生涯なんです。「差別はね、至極まっとうな事なんだよ。誰もが恐怖から逃れようとする。君は、どこに逃げても、差別を受けるんだ」
芝居臭いところがちらほらあった。

ラストの嫁さんと娘さんが公園で遊んでるシーンが、意味不明だったかな〜。

「差別はね、至極まっとうな事なんだよ。誰もが恐怖から逃れようとする。君は、どこに逃げても、差別を受けるんだ。」

ナオが務めてる、会社の会長の言葉なんだけど、普通はこんな事を言われたら絶対に怒る。
なんでそんな事言われなきゃならないんだよっ!!って。
でも、この会長役の人の(大物だったらしい)芝居が上手で、とても心を打たれた。

「どこに逃げても差別を受ける。
なら、どうすればいいか?人と人の繋がりを増やしていくんだよ。2本、3本とね。」

この作品は、「手紙」が沢山でてきます。
とにかく兄が弟宛に手紙を書くんです。毎月毎月。
でも、ナオに取ってはとても邪魔な存在で、初めは返事を書いていたけれど、バイトや就職先でクビになるたびに兄の存在を避けるようになる。それでも手紙は送られてくる。
そんな沢山の手紙の中で、ナオから兄への最後の手紙が出てきます。

「もう手紙を送るのはやめてください。あなたの存在で、仕事を無くしたり、結婚相手を失くしたり、もううんざりです」

というような手紙が出てくるんです。そして

「この手紙をポストに入れたその瞬間から、俺は兄さんを兄と思いません。出所しても会いに来ないでください」

と締めくくられました。

私は、この手紙こそがタイトルの「手紙」なんじゃないかな?と思いました。
この手紙で、兄は知ったんです。
毎月送っていた手紙は邪魔な存在でしか無かった。
それ以上に、弟を苦しめていたという事を、やっと気づかされた。

そして、会長は、こうも言っていた。

「犯罪を犯した人は、ただ牢屋に入って反省すれば良いわけではない。
残された家族の幸せを奪う。大切な家族の人生を奪う。それも全て含めて背負わなければならない。」

兄は毎月、被害者の家族にも手紙を書いていました。
ずっと供養のつもりでした。
反省していました。

でも

ナオの手紙が無ければ気づかなかった。
ナオからの最後の手紙でやっと気づいたのです。
ただ牢屋に入って、弟や遺族の心配の手紙を書いてるだけでは供養にも謝罪にもならないことを。

残された者がどれだけ苦しい思いをしているのか・・・
ナオの手紙を受け取るまで、兄は気づかなかったんです。
だから、ナオの最後の手紙こそ「手紙」なんだと思いました。


そして、原作ではバンド(歌)として、でしたが、劇場版ではお笑い芸人として、慰問するシーンがありました。
何故歌からお笑いに?と思ったんですが、最後の最後で分かりました。

「しょうがないですよね。血が繋がっちゃってますから。兄は兄ですから。何年経っても兄です。たった一人の兄なんです」

この言葉を言わせたかったんです。このシーンで号泣しちゃった人も少なくないと思います。

会長の「逃げても差別を受ける」という言葉がとてもとても心に残っています。
兄は兄なんです。切っても切れないんです。
一緒に、信頼できる人を、1人、2人と増やして行きましょう。
きっとその方が幸せですよね。


本当に本当に良かったです。
是非観に行ってください。

 

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